【骨のゴールデン・トライアングル】 推進プロジェクト

コツコツ健康「骨」コラムCOLUMN

毎日の食事で
丈夫な骨をつくるために

骨づくりに欠かせない
3つの栄養素

 将来にわたり健やかな日々を送るためには健康な骨が欠かせません。骨づくりを怠れば骨粗しょう症になり、将来、要介護リスクが高まります。骨粗しょう症を他人ごとと思っている男性や若い女性を見かけますが、高齢化社会で長生きする人が増え、男性患者も増加傾向にあります。「骨粗しょう症になるリスクは誰もが持っている」と心得えるべきでしょう。

 骨をつくるために欠かせない主な栄養素は、①カルシウム(骨の材料)②ビタミンD(カルシウムの腸管からの吸収を助ける)③ビタミンK(体内に取り込んだカルシウムの骨沈着の際に必要)の3つ。カルシウムは腸管からの吸収率があまりよくないため、ビタミンDやビタミンKなども併せて摂ることが健康的な骨づくりの秘訣です。

献立に役立つ
食品の栄養知識

 カルシウムは、乳製品や小魚、水菜や木綿豆腐などに豊富です。これまでに、乳製品のカルシウムは魚や野菜よりも吸収効率が高いことが国内の研究で明らかにされています。

また、海外の研究では、大豆食品中のカルシウムの吸収率が乳製品とほぼ同じであることを報告しています。乳製品や大豆食品は一緒に摂った食品中のカルシウムの吸収率アップに役立つので、野菜のように吸収率の低い食品は乳製品や大豆食品と一緒に摂ると良いでしょう。また骨付きの肉類は酢を加えて煮ると骨からカルシウムが煮汁に溶け出すので、煮汁が口に入れば、その分、カルシウムの摂取に役立ちます。

ビタミンDは、シラス干し、サケ・サンマなどの魚に豊富です。また、キノコは日光に当てると、紫外線の作用でビタミンDが合成されるので増えます。ヒトも日光(紫外線)を浴びると皮膚でビタミンDが合成されます。ただし、紫外線対策で日焼け止めを塗ったりすると、皮膚でのビタミンD合成はあまり期待できないでしょう。日焼け止めを使う人、日照時間の短い冬場、紫外線量の少ない地域住民、屋内で過ごす時間が長い高齢者などは、ビタミンDを食事から積極的に取り入れましょう。

 ビタミンKは、近年、丈夫な骨づくりに欠かせない栄養素として注目されています。ビタミンKは緑葉野菜、納豆などに多く含まれています。

プラス「オイル」で
吸収効率がアップ

 食事で摂る際に意識したいことは、「ビタミンDとビタミンKは油脂に溶け込むことで効率よく腸管から吸収される」という点です。炒め物や揚げ物にしたり、ニンジンジュースやトマトジュースを飲む時に、コップ1杯に対し小さじ1杯程度のオイルを入れたり、味噌汁の具材が青菜なら、オイルをちょっと足したりする工夫で、ビタミンDやビタミンKの吸収率がかなり良くなります。

 カロリーの過剰摂取はダメですが、油を目の敵にする必要はありません。質の良い適量の油は髪や肌のツヤにもつながるなど、美容にも良いのです。骨づくりのためには栄養バランスの整った食事はもちろんのこと、「カルシウム+ビタミンD+ビタミンK+油脂」を心掛けたいものです。

日本獣医生命科学大学 客員教授 栄養士 佐藤 秀美

横浜国立大学卒業後、企業で調理機器の研究開発に従事。その後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。学術博士。専門は食物学。複数の大学で非常勤講師を務めるかたわら専門学校を卒業し、栄養士免許を取得。研究者と主婦の目線で料理や栄養を研究。著書多数。

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