【骨のゴールデン・トライアングル】 推進プロジェクト

コツコツ健康「骨」コラムCOLUMN

いくつご存知?骨づくり
のために知っておきたい
常識チェック!

 丈夫な骨づくりが大事だとはわかっていても、意外と知られていないのが、骨についての基礎知識。小中学生の子供を持つお母さんたち1,000人に聞いた以下の常識チェック。あなたはいくつ答えられますか。

骨も筋肉と同様、日常生活の中で強化することができます。カルシウムと一緒にビタミンDやビタミンK2を摂ること、骨に荷重をかける運動(ジャンプやジョギング、ウォーキングなど)を行うこと、日光を浴びたり睡眠をよくとったりすることも大切です。(正答率 64.1%)

骨も肌や他の内臓と同じように日々代謝(リモデリング)を繰り返しています。「破骨細胞」が骨の古くなった部分を壊し、「骨芽細胞」が新しい骨を作り出し、大人になってからでも3~5年かけて全身の骨は生まれ変わっているのです。骨に圧力をかけて刺激を与えると、骨芽細胞は活発になります。(正答率 56.2%)

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015によると、腰椎か大腿骨頸部のいずれかで骨粗しょう症と判断された1280万人のうち女性は980万人で、女性の方が多い病気だと言えます。ただし腰椎よりも大腿骨頸部の方が、骨粗しょう症による骨折は深刻です。最も重症な症状と言われる大腿骨頸部骨折の2012年の発生患者数は男性で31,300人(21.1%)と、腰椎の骨密度で調べた骨粗しょう症の患者比率(男性12.5%)よりもはるかに高いものでした。男性は骨粗しょう症に罹りにくいものの、罹患した場合は重症になりやすいと言えますので、男性にもぜひ気を付けていただきたいものです。(正答率 71.9%)

カルシウムは、日本人のすべての年代で不足している栄養素です。欧米人に比べてチーズやヨーグルトなど乳製品の摂取が少ないこと、日本の水は軟水で、土壌にもカルシウム含有率が低いことなどが原因と言われています。食の欧米化により魚を食べる頻度も減ってきています。カルシウムを効率よく摂取するためには、ビタミンDやK2なども併せて摂ることが大切です。(正答率 50.6%)

骨の成長期は10代で、男女とも骨の量はこの時期にほぼピークを迎えます。そして40代後半以降になると、骨の量は急激に減っていきます。しかし骨づくりに必要な栄養の摂取、適度な運動、日光浴などの習慣を毎日心がけることで、減少を緩やかにしたり、骨密度を増やしたりすることは可能です。骨づくりは、何歳からでも始められる健康長寿の秘訣なのです。(正答率 56.3%)

骨の数は子供も大人も原則として同じで、206個です。長い骨は乳児から子供時代には2~3個に分かれて350個もの骨原基として存在し、徐々にカルシウムが沈着して骨に近い塊になり、思春期頃に結合して1本の名前の付いた骨になるのです。発育期の骨は弾力性がある反面、強度が弱いため、骨の周りについている筋肉も一緒に鍛えることで、骨の健康を守ることができます。(正答率 56.2%)

コーラをはじめとする炭酸飲料には、酸味料が含まれています。骨や歯の主成分であるカルシウムは、酸によって溶ける性質がありますが、長時間浸けておかない限り骨や歯が溶けることはありません。たとえ毎日酢を飲んだとしても、骨は溶けません。(正答率 69.4%)

骨を強くする栄養素として、カルシウムは1日に800mgをしっかりと摂る必要があります。しかし一度にカルシウムをたくさん摂ると、腸はカルシウムの吸収率を低下させて血液中のカルシウム濃度が高くなり過ぎないような働きをします。体に多めに入ったカルシウムは骨を強くする働きよりも筋肉や血管、眼球の一部に結合して石灰化を促すといった副作用を現します。それによって心臓病のリスクを高めるなど、命に係わる病気につながり、むしろ体には有害となってしまいます。(正答率 68.9%)

骨を強くするためには、骨に圧迫力を加える運動が一番です。自転車は、筋力や持久力をつけるために効果的な運動ではありますが、ジョギングやウォーキングで足に荷重をかけることで、骨密度はより増加させることができるのです。スポーツ選手の中でも、水泳選手よりも陸上選手の方が骨密度が高いということも知られています。(正答率 68.1%)

骨を作る骨芽細胞からは、骨を強くする幾つかの物質が作り出されますが、その中でオステオカルシンを欠乏させたマウスでは記憶力が低下していることから、オステオカルシンは強く骨形成をする以外に脳神経細胞に働いて記憶力を高めると考えられています。また、骨芽細胞が分泌するオステオポンチンも骨形成に効果を発揮しますが、骨髄内で免疫細胞の数を増やし、免疫力を高めることが分かっています。(正答率 72.5%)

【調査概要】
調査主体:コツコツ骨ラボ
調査期間:2018年3月30日(金)~4月2日(月)
調査方法:インターネット調査
調査対象:25歳~49歳 子育て中の母親1,000名(割付は下記の通り)
※アレルギーや体質の問題で食べない、食べなかったものは除外して回答

子どもの学齢・性別 小学1~3年生 小学4~6年生 中学生
男性(男子) 165 165 170 500
女性(女子) 165 165 170 500

原宿リハビリテーション病院 名誉院長 林 泰史

骨粗しょう症研究、老人医学の第一人者。骨密度、寿命と健康の関係などを長年にわたって調査・研究している。日本骨代謝学会、日本リウマチ学会指導医、日本リハビリ学会専門医、日本老年病学会指導医、及び各学会評議員、日本整形外科学会専門医等を務めてきたが、現在は日本リハビリ学界功労会員。

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