【骨のゴールデン・トライアングル】 推進プロジェクト

コツコツ健康「骨」コラムCOLUMN

「いつまでも元気」のカギは
コツコツ運動習慣!

シニア世代の運動気運の高まりとそのメリット

 「健康のためにしていることは?」と聞かれて、「運動」と答える人は多いでしょう。平成31年にスポーツ庁が発表した「スポーツの実施状況等に関する世論調査」でも、週1日以上運動している成人の割合は55.1%(平成29年度は51.5%)で、全ての年代において前年度より増加していました。なかでも70代の実施率が70%を超えて最も高くなっており、年齢を重ねるほど健康を意識して体を動かすようになる人が増えています。
 継続的に運動することのメリットは、「サルコペニア※1、フレイル※2の予防」「生活習慣病などによる死亡リスクの低下※3」に加え、近年は「脳の活性化」にも効果があることが知られるようになりました。骨や筋肉を強くするだけでなく、意識的に体を動かすことで脳の神経が働き、細胞が増えることもわかっています。もちろん、高齢者でも効果が得られます。ジムでエネルギッシュに体を動かすのもいいですが、頭で覚えた内容に従って体を動かすダンスのような運動を取り入れる方がより効果的です。

※1サルコペニア 加齢によって筋肉量、筋力、身体能力の低下がみられること
※2フレイル 筋力の低下、活動量の低下、歩行速度の低下、易疲労性、体重減少のうち3つ以上該当する場合
※3国立がん研究センター「多目的コホート研究」身体活動量と死亡との関連について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/320.html

年代別運動実施率(週1日以上)

文部科学省スポーツ庁 平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」
http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/houdou/31/02/1413747.htm

高齢者が運動をする時に気をつけたい3つのこと

 高齢になっても運動によって筋力や筋肉量を増やしたり骨密度を維持したりすることはできます。実際、私が勤める病院の姉妹病院に入院した患者さん6000名程を調べると、80代・90代の高齢者でも運動によって体の機能やメンタルは改善することがわかりました。骨粗しょう症患者さんでも、骨折が回復した後に運動を始めないと、また次の骨折に繋がってしまいます。
 ただし、高齢者が運動する際は、特に怪我や体の負担に気をつけなければなりません。また、急激な運動量の増加は心臓に負担がかかりますので、必ず以下の3点に注意して行ってください。

①徐々に活動量を増やしていく
散歩を習慣にする、階段の上り下りを増やすなど、まずは無理のない範囲で日常の活動量を上げることから始め、徐々にジョギングなどに挑戦すると良いでしょう。特にしばらくブランクがある方は、軽い運動を少しずつ行い、体を慣れさせましょう。

②その日の体調を考慮する
脈拍、血圧、食事量、睡眠はいつもと変わりありませんか?体に違和感はないですか?その日の体調に応じて運動量や内容を調整しましょう。少し動いただけで息切れしていないかなど体からのサインも見逃さないようにしましょう。

③できる・できないを把握する
筋力や柔軟性、バランス能力の低下などの個人差は、高齢になるほど大きくなります。どのような動きが困難か、どの程度で痛みが生じるかを把握しましょう。

若い頃のようにはいかなくても、毎日無理をせずに、できる範囲で少しずつでも継続することが大切です。

骨を強くする動作・運動とは?

 骨密度を高めるために、激しい運動は必要ありません。散歩や庭掃除など日常の活動量を上げるのが最も効果的です。屋外で日光を浴びれば骨を強くするビタミンDが体内で合成できて一石二鳥です。重要なのは足の骨や筋肉に力が加わる動きをすることですので、家の中で立つ動作を増やす、階段を上り下りするなどでも充分です。万歩計をつけて1日8000歩程度を目安に動いてみましょう。
 特に男性は、女性ほど家事をしない方が多いですし、退職後は家にこもりがちになって運動量が減る傾向にあります。外食に出かける、田んぼや畑を借りるなど活動場所を増やすのも日常の活動量を上げる一つの方法です。
 また、高齢者には「社会参加」が大切です。今の高齢者は、よく運動してアクティブに過ごしている人がとても多いのですが、趣味やボランティアなどを通じていつまでも社会とかかわりを持ち続けている人は、80代になっても老いの自覚がありません。みなさんもぜひ、社会の中で自分がやりたいことを見つけてみてください。毎日コツコツ楽しく続けられる運動習慣こそが、丈夫な骨を作る近道です。

高齢者におすすめの運動習慣

原宿リハビリテーション病院 名誉院長 林 泰史

骨粗しょう症研究、老人医学の第一人者。骨密度、寿命と健康の関係などを長年にわたって調査・研究している。日本骨代謝学会、日本リウマチ学会指導医、日本リハビリ学会専門医、日本老年病学会指導医、及び各学会評議員、日本整形外科学会専門医等を務めてきたが、現在は日本リハビリ学界功労会員。

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